2014年2月10日月曜日

【死の真実】5000年前の男 彼の名前はアイスマン-Iceman-


東京では雪が積もる事はそう滅多にないが、赤道を離れてゆくと次第に景色が見渡す限り銀世界に変わってしまう。今日は雪にまつわり、5000年間眠っていたアイスマンのお話。








1991年9月19日、イタリア・オーストラリア国境付近のアルプス氷河にて。ニュンベルクからの観光客サイモン夫妻は溶けた雪の中からミイラ化した遺体を発見した。当初は遭難者の遺体として処理されたが、彼の周囲から見つかった物品には見なれない物が多かった為、インブルック大学の考古学者に見せた所なんとそれらはヨーロッパの青銅器時代前期の物だったのだ。



発見当時オーストラリアの新聞記者によって、ミイラをその地にちなんでエッツィ(Ötzi)と命名している。約5000年もの間、雪に覆われていた彼は完全体な人類のミイラとして世界最古のものであった。まさに世界の考古学を揺るがす大事件である。アイスマンは40代半ば(当時としては年配)で、持ち物から社会的に地位の高い人物である事が判明しているが、さて、しかし彼はなぜ死んだのか。




アイスマンの死因について、生け贄説、凍死説など学説が二転三転していたが、近年ついにその死因は明らかになった。実は、はなんと殺人事件の被害者だったのだ。2005年ボルツァーノ中央病院で最新のマルチスライスCT装置を導入し、そのおかげでアイスマンの高解像度の撮影が可能になり明らかになった。その結果によれば、石の矢がアイスマンの左の肩甲骨を突き抜け、鎖骨下動脈を傷つけた大量出血死だそうだ。



他にも彼の健康状態は芳しくなく、腸の内容物から寄生虫の卵が見つかった事、死の1、2日前に野生のヤギの肉と植物性の食品を食べた事、最後の食事がアカシカの肉と穀物であった事、などが浮き彫りとなった。





死の説について二転三転した点を踏まえると今まで出てきた説についても今後また改めて信憑性を審議していく必要があるだろう。科学の進歩によって、霧がかったものの真相が解明して発達していく。その反面、アイスマンの深層に迫る部分は実はまだきっと雪の中に埋もれたままなのかもしれないのだ。


http://spoki.tvnet.lv/vesture/Otzi-Ledus-cilveks/606991

http://nationalgeographic.jp/nng/magazine/0707/feature03/
http://www.paperdroids.com/2012/07/03/scientists-extract-oldest-red-blood-cells-from-ancient-iceman-2/
http://ja.wikipedia.org/wiki/アイスマン

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