2014年10月10日金曜日

ゆめうつつ? 不気味な摩訶不思議ワールド「花蟲」に迫る


その世界観は実に複雑怪奇なものである。今宵は知る人ぞ知るクリエイター「花蟲」に迫る。




「花蟲」とはアニメーションやイラストなどを手がけるアーティスト。そのダークファンタジーな世界観は日本だけでなく海外からも注目を集めている。






「花蟲」

花蟲のサイトは全体がひとつのアドベンチャーゲームのような構造になっている。画面をクリックして移動しながらアイテムを集めてゆく。背景、構成、細部まで作り込まれている。



ゲームを楽しみながらサイト内で紹介してあるイラストや、フラッシュアニメーションをみる事ができる。





心の欠けた少年ポックと角の生えた少年タムとの心温まる冒険アドベンチャー。不気味ながらも愛嬌のあるキャラクター達の姿は、独特なフィーリングをもって描かれた花蟲の世界観そのものである。筆者も公開されてから夢中になった覚えがある。ビジュアルのインパクトの強さは吸い込まれるように目を向けてしまう魅力がある。

なお現在「ポックのともだち」はスマートフォンのアプリとしても展開している模様。


https://chogetsuku.jp/product/pock/


現在花蟲はアプリとしての展開や、情報発信によりさらに幅広い層の目に触れる機会が増え、その視野をさらに広げるべくWEBショップやヴィレッジヴァンガードでのグッズ展開をなどの試みもしている。



筆者が花蟲に出会ったのは、2006年の「空想少女」がまだ真新しいと感じていた頃であった。2000年代始めのフラッシュ黄金期と呼ばれる世代の終焉に傾いていた頃に辿り着いたサイトの一つ。それが「花蟲」であった。下の画像は花蟲の旧メイン画面。




当時のフラッシュアニメーションの技術はマッドな色合いの図形の組み合わせが動いたり、取り込まれた写真が伸び縮みして音と重なるような、今こそ当たり前の技術となるが、その時代には画期的でもあり、ネット社会ならではの娯楽であった。そんな中、その影の多い輪郭と素朴なタッチに妙な立体感をもつ花蟲は一際異才を放っていた

今から10年近く前の話にはなるのだが、その時の衝撃は今でも覚えている。確かその頃は上部の画像の花蟲旧メイン画面が改装される前で、ホームページを立ち上げた時に必ずと言って良いほど設置されるお絵描き掲示板もあり、絵を投稿すると花蟲えぬさんが丁寧にコメントを残していた。振り返れば、まだ記憶が色あせない為か、そんなに昔ではないのではないかと思う反面、年号を提示されると時の流れは恐ろしくはやいと痛感させられる。この短いようで長く、長いようで短い年月の中で、めきめきと日の目を見る機会が増えるアーティストの中に「花蟲」は確実に存在する。

長らく見守り続ける対象であった「花蟲」を何年越しかに今こうして、記事としてようやっと自分の中におさめ、発信することができたのは非常に誇らしく思う。





■「花蟲」の今後の活動■





花蟲さんを含む約20名のアーティストによる現代のガーリッシュを表現する展覧会。今月10月8日〜10月15日まで東京都

渋谷Bunkamura Galleryより。
展示期間:2014年10月8日-10月15日
開館時間:10:00-19:30
場所:東京都渋谷Bunkamura Gallery


「花蟲劇場」

花蟲初の全国流通。映像作品集DVD。2006年から現在まで制作してきた短編アニメ、インタラクティブコンテンツ、ミュージックビデオが一枚に集約されている。加えて新作アニメ、イラストメイキングなど特典もついたファン待望のDVD。


2014年11月5日発売予定




アートフェスティバル「艶惨1.5」

アンダーグラウンド・フェティッシュ・グロテスク
それぞれをテーマにしたアートフェスティバル。



神田ホール第一会議室より
展示期間:2014年10月25日
開館時間:12:00-19:00
場所:東京都千代田区神田東松下町37-2 加瀬ビル130 4階


今回記事を掲載にあたりましてご協力いただきました花蟲様、本当にありがとうございました。今後の発展をお祈りしております。


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