そして今日は少しディープな話題をするとしましょう。
こちら我が家のファミリーの一部です。壱発屋企画を以前から知ってる方は度々のご紹介となりますが、元締め犬州は標本を制作する事を趣味としております。
それで実は先日、冬から埋めてもらっていたシカを猟友会の知人が送ってきてくださいました。基本的に標本制作は除肉から、漂白まですべて一から行っています。死臭ももちろんですが、野生動物なんかは寄生虫、病原菌にも気をつけなければなりません。
標本制作においての大まかな流れは①除肉②脱脂③漂白です。
①除肉の方法は主に、「土に埋める」「水に浸ける」「虫に食べてもらう」などなどありますが、
○私が処理する時はまず鍋で数時間(個体による)骨を煮ます。※この時お湯を沸騰させてしまうと骨が脆くなります。
○良い頃合いになった所で、取れるだけの肉は剥がしておきます。※ハサミやブラシ、ピンセットなどがあると良いかも。
○取りきれなかった肉と骨はお湯に浸けて腐らせています。
時間がない方はポリデントとかパイプスルーで肉をゼリー状にしてしまうみたいですが。
②脱脂は骨の中に染み付いている脂を外に出す事で、臭い半減、漂白の仕上がりも綺麗になります。
○これはいつぐらいまでかかるかは本当に個体差によります。沸騰しない程度のお湯につけてると脂が出やすくなります。ちなみに、①の段階でお湯につけて腐らせるのは腐敗の進行を早めるためでもあり、脱脂のためでもあります。
まぁ時間がない方はアセトンを購入して浸していると脱脂のスピードがアップしますが。
③漂白は骨本来の色が好きな方や真っ白が良いという方もいるので正直自分の好みに合わせるしかないですね。キッチン用の漂白剤を水で薄めて様子を適宜伺ったり。オキシドールに浸けたりするんです。ただ、浸けすぎると骨が傷みますし、漂白は骨表面を溶かしているという事をお忘れずに。
ざっくり過ぎるくらいアバウトに流れを話しましたが、実際例外もありますし、この一つの記事だけでは話しきれない事がたくさんあります。生き物を扱っていますので、デリケートな面が標本制作には常につきものです。
そうやっていくうちに何故標本がそんなにも高く取引されているのかと考えてを辿っていけば、やはり生半可な気持ちで買える値段よりも大切にしてほしいと願う気持ちに見合った額が与えられるのだと思います。それは標本作りに限らず色んなクリエイターさんにも言える事だったりしてね。
そんな商人の寝言であります。